ディーゼルクリーン・キャンペーンの実施要領 |
1. 目的
我が国の大気環境については、近年環境基準の達成状況に改善傾向がみられるものの、二酸化窒素(NO2)及び浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準が達成されていない地域が依然として残っている状況にある。
このような状況のもと、平成23年3月25日に、自動車NOx・PM法に基づく新たな総量削減基本方針(平成32年度までに二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る大気環境基準を確保等)が、閣議決定された。
特に、大気汚染への影響度が大きいディーゼル車については、ポスト新長期規制が適用される等、逐次にわたる新車対策が実施されてきているが、引き続き環境基準の早期達成とその維持に向けて、使用過程車を含めたディーゼル車の排出ガス対策の推進が求められている。
また、重油を軽油に混和する等により製造されるいわゆる不正軽油を自動車用燃料として使用することによる、黒煙等の有害物質の増加が懸念されている。さらに、不正軽油は、排出ガス浄化に係る構造装置が高度化しているディーゼル車に大きな悪影響を及ぼすことから、自動車の本来の性能を確保する観点からも、不正軽油の使用防止が強く求められている。
さらには、平成15年規制以降の排出ガス規制に適合するため、DPF(黒煙除去フィルタ)など後処理装置を搭載した使用過程のディーゼルトラック等について、低速走行の割合が多くなった場合や自動車の取扱説明書通りに手動再生を実施しない場合等において、PM(粒子状物質)がDPFにたまり、PMを除去するためのアイドリング時間が長くなる、あるいは、エンジンが停止する等の事例が報告されており、本システムを搭載した車両を適切に使用することが重要である。
一方、自動車の地球温暖化対策の推進も重要であり、自動車単体の燃費性能を向上させることに加えて、駐停車時のアイドリングストップ、急発進や急加速の防止、交通の状況に応じた安全な定速走行といった、いわゆるエコドライブを普及していくことが不可欠である。
このような状況を鑑み、使用過程ディーゼル車が排出する大気汚染物質等の低減に取り組むため、自動車関係諸団体等の協力のもと、「ディーゼルクリーン・キャンペーン」を全国的に展開する。
2. 重点実施期間
(1)「不正改造車排除強化月間」(平成26年6月1日(日)から6月30日(月)までの1か月間)
(2)「自動車点検整備推進運動強化月間(秋季実施予定)」(平成26年10月1日(水)から10月31日(金)までの1か月間)
3. 実施機関
国土交通省が実施主体となり、自動車検査独立行政法人に本キャンペーンへの支援を求め、次の関係団体の協力を得て本キャンペーンを推進する。
[協賛団体]
一般社団法人 日本自動車工業会 |
公益社団法人 全日本トラック協会 |
公益社団法人 日本バス協会 |
一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会 |
全国ディーゼルポンプ振興会連合会 |
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会 |
4. 実施事項
本キャンペーン重点実施期間の実施にあたっては、同時期に実施される「不正改造車排除強化月間」及び「自動車点検整備推進運動強化月間(秋季実施予定)」の主旨と整合性をとりながら連携して実施する。
(1) |
「不正改造車排除強化月間」中は、不正改造車の排除の観点から、燃料噴射ポンプの封印の取り外し、不正軽油の使用等による黒煙の悪化車両を排除させることを重点とし、以下の事項とする。 |
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1) |
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ポスター掲出、チラシの配布 |
2) |
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街頭検査の実施 |
3) |
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通報制度を活用した自動車の使用者等の指導 |
4) |
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整備事業者による入庫車の点検 |
5) |
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運転者に対する指導 |
6) |
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会報等による広報 |
7) |
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DPF等の正しい使用方法のチラシの配布 |
(2) |
「自動車点検整備推進運動強化月間(秋季実施予定)」中は自動車の点検整備の推進の観点から、自動車使用者等に適切な点検・整備等の必要性の説明及び指導することを重点とし、以下の事項とする。 |
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1) |
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ポスター及びチラシの掲出等 |
2) |
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街頭検査の実施 |
3) |
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運送事業者による自主点検等 |
4) |
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通報制度を活用した自動車の使用者等の指導 |
5) |
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整備事業者による入庫車の点検 |
6) |
|
運転者に対する指導 |
7) |
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会報等による広報 |
8) |
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DPF等の正しい使用方法のチラシの配布 |
国土交通省は、本実施要領に基づき、地方運輸局及び沖縄総合事務局に対して本キャンペーンへの支援等を指示するとともに、円滑な街頭検査の実施にあたり、自動車検査独立行政法人に支援を求めるとともに、自動車関係団体に対して、本キャンペーンの趣旨の徹底、実施方法等の指導を行う