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ディーゼルクリーンキャンペーン
2014-06-03

ディーゼルクリーン・キャンペーンの実施要領

1.   目的
  我が国の大気環境については、近年環境基準の達成状況に改善傾向がみられるものの、二酸化窒素(NO
)及び浮遊粒子状物質(SPM)の環境基準が達成されていない地域が依然として残っている状況にある。
このような状況のもと、平成23年3月25日に、自動車NOx・PM法に基づく新たな総量削減基本方針(平成32年度までに二酸化窒素及び浮遊粒子状物質に係る大気環境基準を確保等)が、閣議決定された。
 特に、大気汚染への影響度が大きいディーゼル車については、ポスト新長期規制が適用される等、逐次にわたる新車対策が実施されてきているが、引き続き環境基準の早期達成とその維持に向けて、使用過程車を含めたディーゼル車の排出ガス対策の推進が求められている。
 また、重油を軽油に混和する等により製造されるいわゆる不正軽油を自動車用燃料として使用することによる、黒煙等の有害物質の増加が懸念されている。さらに、不正軽油は、排出ガス浄化に係る構造装置が高度化しているディーゼル車に大きな悪影響を及ぼすことから、自動車の本来の性能を確保する観点からも、不正軽油の使用防止が強く求められている。
 さらには、平成15年規制以降の排出ガス規制に適合するため、DPF(黒煙除去フィルタ)など後処理装置を搭載した使用過程のディーゼルトラック等について、低速走行の割合が多くなった場合や自動車の取扱説明書通りに手動再生を実施しない場合等において、PM(粒子状物質)がDPFにたまり、PMを除去するためのアイドリング時間が長くなる、あるいは、エンジンが停止する等の事例が報告されており、本システムを搭載した車両を適切に使用することが重要である。
 一方、自動車の地球温暖化対策の推進も重要であり、自動車単体の燃費性能を向上させることに加えて、駐停車時のアイドリングストップ、急発進や急加速の防止、交通の状況に応じた安全な定速走行といった、いわゆるエコドライブを普及していくことが不可欠である。
 このような状況を鑑み、使用過程ディーゼル車が排出する大気汚染物質等の低減に取り組むため、自動車関係諸団体等の協力のもと、「ディーゼルクリーン・キャンペーン」を全国的に展開する。

2.   重点実施期間
(1)「不正改造車排除強化月間」(平成2661日(日)から630日(月)までの1か月間)
(2)「自動車点検整備推進運動強化月間(秋季実施予定)」(平成26101日(水)から1031日(金)までの1か月間)

3.   実施機関
 国土交通省が実施主体となり、自動車検査独立行政法人に本キャンペーンへの支援を求め、次の関係団体の協力を得て本キャンペーンを推進する。

[協賛団体]

一般社団法人 日本自動車工業会

公益社団法人 全日本トラック協会

公益社団法人 日本バス協会

一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会

全国ディーゼルポンプ振興会連合会

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会

4. 実施事項
本キャンペーン重点実施期間の実施にあたっては、同時期に実施される「不正改造車排除強化月間」及び「自動車点検整備推進運動強化月間(秋季実施予定)」の主旨と整合性をとりながら連携して実施する。

(1)

「不正改造車排除強化月間」中は、不正改造車の排除の観点から、燃料噴射ポンプの封印の取り外し、不正軽油の使用等による黒煙の悪化車両を排除させることを重点とし、以下の事項とする。

1)

 

ポスター掲出、チラシの配布
各実施機関は、キャンペーンの期間中、ポスターを掲出及びチラシの配布を行う。

2)

 

街頭検査の実施
(1)
黒煙(黒煙測定器による検査。以下同じ。)及び燃料(配備された硫黄分 濃度測定器による検査。以下同じ。)を重点項目とした街頭検査を全国的に実施する。
特に、黒煙測定をした結果基準値を超える自動車については、燃料噴射ポ ンプの封印チェック等を行う。
(2)
地方整備局、都道府県税務担当部局と連携した街頭検査を実施するよう努める。

3)

 

通報制度を活用した自動車の使用者等の指導
運輸支局(沖縄総合事務局においては陸運事務所。以下同じ。)に迷惑黒煙相談窓口(黒煙110番)を設置し、通報を受けた自動車ユーザーに対し、ハガキを送付することにより自主点検等の指導をする。

4)

 

整備事業者による入庫車の点検
入庫したディーゼル車の使用者に点検指導を行うとともに燃料噴射ポンプの封印チェック等を重点的に行う。

5)

 

運転者に対する指導
バス事業者及び貨物運送事業者は、運転者に対して急発進、急加速等を避けた無理のない運転方法について指導する。

6)

 

会報等による広報
各実施機関は会報、機関誌等により会員等に「ディーゼルクリーン・キャンペーン」の実施について周知する。

7)

 

DPF等の正しい使用方法のチラシの配布
国土交通省は、キャンペーン期間中、街頭検査等の機会をとらえ、「DPFなど後処理装置付き車の正しい使用のお願い」のチラシを配布し、周知を図る。

(2)

「自動車点検整備推進運動強化月間(秋季実施予定)」中は自動車の点検整備の推進の観点から、自動車使用者等に適切な点検・整備等の必要性の説明及び指導することを重点とし、以下の事項とする。

1)

 

ポスター及びチラシの掲出等
各実施機関は、キャンペーンの期間中、ポスターを掲出及びチラシの配布を行う。

2)

 

街頭検査の実施
(1)
警察等関係機関の協力を得ながら、黒煙及び燃料を重点項目とした街頭検査を全国的に実施する。
特に、点検・整備の重要性及び不正軽油が及ぼす安全・環境上懸念される問題等について説明するなどし、指導を行う。
(2)
地方整備局、都道府県税務担当部局と連携した街頭検査を実施するよう努める。

3)

 

運送事業者による自主点検等
バス事業者及び貨物運送事業者の整備管理者は、黒煙濃度の悪化に大きな影響を与えるエア・クリーナ・エレメント、燃料フィルタ、燃料噴射ポンプ等の点検・整備を重点的に実施する。また、運行前に黒煙濃度チャートを用いて黒煙濃度をチェックし適切に整備がされている状態よりも多量に黒煙が排出されている場合には整備を行う等の措置を講ずる。

4)

 

通報制度を活用した自動車の使用者等の指導
(1)
運輸支局に迷惑黒煙相談窓口(黒煙110番)を設置し、通報を受けた自動車ユーザーに対し、ハガキを送付することにより自主点検等の指導をする。
(2)
各都道府県トラック協会及び各都道府県バス協会は、協会に黒煙の排出量が多い旨の通報等のあった者に対して改善を指導する。

5)

 

整備事業者による入庫車の点検
使用者の理解を得て黒煙濃度の測定、エア・クリーナ・エレメント等の点検・整備等を実施する。

6)

 

運転者に対する指導
バス事業者及び貨物運送事業者は、運転者に対して急発進、急加速等を避けた無理のない運転方法について指導する。

7)

 

会報等による広報
各実施機関は会報、機関誌等により会員等に「ディーゼルクリーン・キャンペーン」の実施について周知する。

8)

 

DPF等の正しい使用方法のチラシの配布
国土交通省は、キャンペーン期間中、街頭検査等の機会をとらえ、「DPFなど後処理装置付き車の正しい使用のお願い」のチラシを配布し、周知を図る。

5.実施体制
国土交通省は、本実施要領に基づき、地方運輸局及び沖縄総合事務局に対して本キャンペーンへの支援等を指示するとともに、円滑な街頭検査の実施にあたり、自動車検査独立行政法人に支援を求めるとともに、自動車関係団体に対して、本キャンペーンの趣旨の徹底、実施方法等の指導を行う
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